Masuk「それからうちのクロールがね、ケーキも焼いてくれたの。イアンを怒らせちゃったかも、って相談したら『俺に任せとけ』って。紅茶と甘い物を口にしたら、具合は良くなるだろうし、機嫌も良くなるって。ケーキはできたてよ。食べて」
「オリヴィアは──……『うちの』って言ったよな?」「……え?」「『うちの』クロールって言っただろ?」「えぇ言ったわ……?」イアンの言う意味が分からず、オリヴィアは首を捻った。
「だって、私のおうちのシェフでしょう? だから、うちのって言ったの」 イアンは空になったカップの底を凝視したまま動けなくなった。「ディーズ、バンジャイ、ターニャに、ジュレック、ミュール、エレン、
「あ」と閃いたようでイアンは声を上げる。不思議そうにオリヴィアは首を傾げた。 「せっかくだ。早朝一緒に出掛けよう」 「二人でジョギング?」 「散歩をしよう」 「行くわ!」 キラキラした目で見つめられて「フッ」とイアンは微笑んだ。二人で黒い仔犬を受け取りに行けば良い。そこでオリヴィアへプレゼントをして喜ぶ顔を見れば良いんだ──オリヴィアから早朝告白されて、その場で押し倒さないという自信は揺らいではいるが……何年も待ったんだ。我慢できないわけがない。 「イアン」 目の前のオリヴィアに名前を呼ばれる。 返事の代わりに鼻同士をくっ付けると、穏やかに目を細めてオリヴィアは笑った。 「結婚4年目って、花婚式っていう名前なんですって」 「花婚式?」 「お花が咲き、実がなりますように、ってお祝いするの。お花なんて、私たちにぴったしなお祝いじゃない?」 邸内には常に花が飾られていて、グゥイン公爵家の庭園は色とりどりの花が年中咲き誇っている。結婚記念日に大量のジャスミンの白い花が邸内を占領し、常に花の香りがあった。 フフッと幸福そうに笑う彼女が六歳の頃に出会った少女と重なって、イアンも目を細め、愛しくてたまらない、というようにオリヴィアを瞳に映した。この数年間で、オリヴィアがあの頃と変わらない笑顔を取り戻せた事が何よりも嬉しい。 「……ねぇ、イ、イアン……」 微笑んでいたオリヴィアが急に耳まで真っ赤になって、しどろもどろになった。そんな姿に「どうした?」と心配して声を掛けると――。 「お、お腹に、その……」 「お腹痛いか?」 「ち、違うの。その……」 「あ、当たってるの……」とカァと赤くなって腕の中で俯いたオリヴィアをキョトンとして見下ろした。 彼女の腹に何か当たっている……あぁ〜〜〜〜ナニが……。 幸福で下半身が硬くなることをイアンは初めて知った。 「す……まない、その……」 謝って、自分でどうにかするから、と言うつもりだった。しかし、 「あ、あといっかい……する……?
「すまない……」 申し訳なさそうに謝罪され、オリヴィアはクルリと回転した。金色の目が驚きに見開かれるのを見て、イタズラ心がムクムクと起き上がってしまう。「えいっ」 自分より鼻が高い男の鼻にがぶっと噛み付いた。突然の事で避けきれなかったイアンはニシシっと笑うオリヴィアを唖然と見つめる。「これでおあいこね」 オリヴィアはギュッとイアンを抱き締める。やっぱり、クマのぬいぐるみを抱きしめているようで「フフッ」と笑った。「……あまり、可愛いことをされると……」「困る?」 ガブっと顎に噛み付くとイアンはリンゴのように顔が赤くなった。「もうイタズラしないわ」 と不満そうに唇を尖らせたオリヴィアを見て取り敢えずホッと胸を撫で下ろす。それから可愛らしく尖った唇へイアンはチュッと唇を当てた。フフッ、と笑うオリヴィアが可愛くて、イアンも彼女をギュッと抱き締めた。 自分が思った以上に細いオリヴィアをこれから、もっと太らせないと……と使命感が湧く。(胸の大きさに反して腰が細い気が……)「本を読ませてね」 唐突に言われイアンは片眉を上げた。「本に書いてあるんでしょ? ここを触ったらいいとか、こうするとか。私も読んで勉強したい」 ギュッギュッと抱き締められて、澄んだ目で言われた。あまりにも澄み切っていたから「ダメ」という言葉を飲み込んでしまって頷いてしまう。おまけにニパッ、と笑われて駄目だと言えなくなってしまった。「読んだのは子供の時以来だから……勉強になるかな……」 アハハ、と笑って取り敢えずは誤魔化した。「結婚記念日の朝、私の告白を楽しみにしていてね」 腕の中のオリヴィアはそう言ってイアンの胸に頬擦りをした。甘える仕草に悶えて、下半身が再び主張し出すのを頬の裏をガリッと噛んで、痛みで抑える。&helli
「愛してる……愛してる……誰よりも」 誰にも渡さない。 手放さない。 イアンは手に力を込め、熱を放出する為に腰を動かした。「うん……うんっ……」 その手の上にオリヴィアは手を重ねて指を絡めた。「ぜ、ったい、私をひとりにしないで……」 大好きなお母様もわんちゃんも私を置いて行ってしまったから……イアンは絶対にしないでね。「もちろんだ。俺はヴィーを一人にしない」(だからと言って、俺は一人残されたくもないんだ) 本来なら死ぬ順番は年齢順でいけば俺だ。でも、彼女を一人残して逝く事は絶対にしない自信はある。それでも、遠い将来『死』という別れは必ずやってくる。死が二人の別れを分かつ日がある──そうなれば、俺はどうしようか。 ずっと、遠い未来の話だと思っていた。でも、こうしてオリヴィアを抱いてから、その未来は実はそこまで遠くないのではないかと思う。あっという間に時は過ぎてしまうのではないか――……。 一人では耐えきれないと思う。彼女を知ってしまったから。 だからと言って彼女のあとを追うような真似はしてはならないと、漠然に思った。そうすれば腕の中にいる彼女を悲しませてしまう、そんな気がする。こことは違うあの世を信じているわけではないが、二度と会えないように思えた。 だから……寂しくないようにするならば――家族を作れば良いのではないかと閃いた。オリヴィアが言った黒い髪の子に会えれば良いのでは、ないか。それから彼女と同じ髪色の子供を作れば良いのでは。琥珀色の瞳には会えないけれど――彼女の面影を追って、最期まで生を全うできるのではないか――……。「中に出すぞ……っ」 上下にピストンされていた動きが激しくなって、何度も腹の裏側を打ち付けられる。外からはイアンの手で子宮を刺激されて、オリ
腰が止まることなく、ギュッと抱き締められる。イアンの手はオリヴィアの柔らかい胸へと伸びた。そっと下から乳房を持ち上げられて、新たな刺激に腰をくねらせた。 ふわふわでマシュマロを触っている感触にイアンの肉棒は更に太さを増して彼女は更に身悶える事になる。「柔らかいな……」 イアンは感心して呟いた。 柔らかい。こんなに柔らかいなんて想像してなかった、と指を一本ずつおっぱいの中に沈めていく。両手全部沈めたら重さを確かめるように上下に揺さぶった。「んっ、あ、っ、んぁあっ」 自分の胸に付いた肉を揉まれて気持ち良くなるなんて思ってもいなかった……とオリヴィアは甘い嬌声を上げながら思った。「君はどこも本当に可愛いな」「あ……あぁ、あっ、あぅ」 上下に揺さぶっていた指が弾みで胸の薄紅色の先端を掠った。「きゃっ」 ビリっと電流が走って思わず悲鳴を上げてしまう。すると背中にいる男の指が先端を指の腹でキュッと押した。「ひゃあ、あっうあ」 押したり二本の指で挟んでコリコリと揉む。それから掌で捏ねてるような動きをした。「痛くはないか?」 キュッと硬くなった乳首を摘ままれて引っ張られても痛みはなかった。全身が性感帯になったように気持ち良くて、腰を揺らしてイアンへ押し付けている。「き、もち、いい……っ」 ガクガクと震えて下半身に熱が溜まって行く事を感じながら素直に言えば、キュッと引っ張られた乳首が指でフミフミと揉まれて、爪の先で先端を弾かれた。「んぁ! あ、あぁ、あっ!」 前屈みになってお尻を突き出すような姿勢になってしまう。密着感がなくなり、背中にイアンの熱を感じなくなってしまう。元に戻そうにも胸への愛撫と上から下へのピストンに追い込まれて、強請るように声を上げ、ヘコヘコと腰しか動かせない。「っ、はっ、んぅ、あぁ、あっ……っ」 淫らに揺れる細い腰をぎゅっと引き
彼女は躰を下にずらして自分の後頭部をイアンの胸に擦り寄せた。その頭にイアンは軽くキスを落とす。「いいか……?」「うん」 声が裏返った気はしたものの、オリヴィアはイアンの指先の感触に集中する事にした。 太腿に辿り着いたイアンは掌で太腿を何度も往復して撫でつけて彼女の上側の膝を曲げて軽く持ち上げ、下側の脚をイアンは自分の脚で絡めて密着する。 オリヴィアはお尻に硬い物が触れ、布の感触はなく、濡れている感触があって思わずブルりと震えてしまう──期待からのものだった。 グイっと膝を持ち上げられてトロトロに濡れそぼったそこに硬い物が当って、下から上に向かうように楔が突き入れられた。「あぁ、ああああああっ、あ、あ、つ」 熱くて指と比べ物にならない太い物が躰を押し広げる。その衝撃にオリヴィアは金魚のように口をパクパクさせた。侵食する音が聞こえる。「はー、ふー、はーっ、はっ、はっ」 オリヴィアは息を整えるように深呼吸を繰り返した。イアンは苦し気な彼女の耳にキスを落とし、落ち着くのを待った。「苦しい?」「だ、だいじょうっ……」 落ち着いてくれるまで待ってくれるイアンの優しさに「やっぱり好き」という気持ちが大きくなっていく。「イアン……おちついた、かも……」 と言葉で伝えると、ペロリと舌で耳を舐められる。犬のような仕草にオリヴィアは思わず頬を緩めた。「まだ、全部挿っていないんだが……大丈夫そうか?」(全部はいる? お腹くるしいのに?)「ん?」と首を傾げて脚に力を入れると「うっ」と苦しそうな声が聞こえてオリヴィアは反射的に謝った。(挟んでみた感覚は……充分入っていたような気がする、けど……)「ヴィー」 名を囁くように呼ばれ、ゆっくりと腰が進んで行くのに、まだ自分の行き止まりまで進んでいなかった事を知った
「良いか──……?」 彼女の耳元で吐息と共に囁いた。 その声はもう余裕がないのだと悟らせるのに充分だった。オリヴィアが小さくコクリと頷くと、イアンはオリヴィアの唇にチュッと軽くキスをして身を起こした。 自分の脚の間で膝立ちをして、イアンはベルトを抜いた。身動きするイアンをオリヴィアはジッと凝視する。緩めたトラウザーズを脱ごうとして動かなくなったイアンを彼女は不思議そうに首を傾げた。「そんなに見られると……」 気まずそうに赤くなる彼に「今更じゃない?」と言えば、「俺はオリヴィアに見られる事に慣れていないんだ」と返ってきた。「こんな図体がデカい男がくっ付いていれば圧迫感しかないだろう」と思い、必要最低限の距離を保つようにした。だから二人で出掛ける時や睡眠以外では近付かないようにした。彼女が屋敷内を歩いている姿をイアンは離れた場所で観察するだけに留めたのである。毎日愛を告白し、傍に居る時は慈愛に満ちた目で見ていても、オリヴィアからこんなふうに見つめられた事は一度もないせいで、抗体がないのだ。「じゃあ、私はイアンが慣れる為に毎日近くで見つめるわ」「堪え切れるかな……」 カァっと赤くなって右手で顔を覆い隠したイアンをオリヴィアは愛しさに溢れた目で見つめた。フフッと笑っていたら、イアンの手がオリヴィアの両肩に伸びてきた。「あら?」 とオリヴィアは声を上げた。 肩を押されベッドに背中を押し付けられたかと思ったらクルリと反転する。天井を見ていた筈が、今は部屋の壁にある本棚が視界にあった。 背中からギュッと抱き締められて、オリヴィアは肩を抱いている腕に触れる。「寝ちゃうの……?」 ベッドに横たわり、背後から抱き締められるその姿は毎晩二人が睡眠を取る時の姿そのままだった。違うのはお尻にあたったイアンの物を感じるくらいだ。「いや……寝ない」「どうして、この格好?」 イアンの